月影郷

‐ 行蔵は我に存す、毀誉は他人の主張 ‐

「情報アクセス手段」という権利

Posted By S.Yamada on 2009年10月15日

Location_Finland_EU_Europe.jpg ちょっと気になる記事を見つけ、久々にブログを更新。

 フィンランドがなにやら面白い試みを始めるようだ。

「フィンランドが国の法律でブロードバンド接続を「国民の権利」として制定, 拍手!拍手!」(Tech Crunch Japan)

 記事を読む限り、各世帯なのか、各国民個人なのか俺にはちょっと分からないが、ブロードバンド回線によるアクセスを「権利」として保障するということらしい。

 個人的に面白い取り組みだと思うし、教育レベルが高いことで知られている同国らしいと言えばらしい話だろうと思う。

 この記事を読んだ時、実は全く別のことを頭の中に思い浮かべていた。

 民族・宗教紛争が激しい国のことである。と言うよりも、情報統制を行っている各国の国民の権利についてだ。

 これらの国は国家レベルで情報統制を行っており、インターネットもその例外ではない。特にイランや中国などでは国家レベルでのパケットフィルタリングが実施され、北朝鮮においては個人がインターネットにアクセスすることすら制限している(国レベルでのイントラネットを構築している、と言われている)。

 民主主義が長い歴史的スパンから見て、唯一無二の絶対の主義思想であるとは間違えても言わないが、民主主義を謳う国家の国民として生まれてきたからには建前としても民主主義の理念と言うか、原理と言うものは大切にしたいと願っている。あらゆる人間が生まれてきた以上は常に持っているとされる、いわゆる自然権をその土台としている訳で、そこに「人権を守る」という言葉の肝があると言って良い。

 そう考えた時に、思想の自由は勿論の事、表現の自由や通信の秘密とその保障などもその自然権に基づいた基本的人権でもあり、この概念はまさに世界人権宣言に於いても明確に、かつ高らかと宣言されている。

 国家において望ましい姿ということで、特に世界人権宣言の12条、19条、27条において触れらている。リンクを俺の奉公先でもあるアムネスティ・インターナショナル日本が訳したページに張っておく。

 ただ、この人権宣言の中において「情報を発信、受信する手段」自体を権利化する文言は特にない。しかし、伝えたい、受け取りたいメッセージやコンテンツがある以上は、それをばいかいするものがなくてはいけない訳であり、個人的にはそのメディア自体の自由まで保障するべき、とも考えている(メディア企業などの保護、という意味に非ず)。

 なお、ここでお断りしておくが、世界人権宣言が拘束力のない宣言なのは良く知っているが、国連加盟国の全てが承認しているのに加え、これらが世界人権規約の大本になっている点は極めて重要だと考えている。

 そこで話の最初に戻る。

 フィンランドは初めて、権利としての「メディア」の存在を公に認めることになる。何故この考えに至ったのか、そして俺がこの出来事に若干エポックメイキング的なことを感じたのはまさにこの「メディア」の内容であり、例え他の国が新聞や出版物の諸権利を認めたとしても、今回のそれとは大きな差があると言えるのではないか、と考えたのだ。

 別に件のイラン総選挙やウィグル暴動でTwitterが使われていましたとか、そういう個別のサービスの話なのではなく「双方向メディア」の存在が公に権利化されたことが重要なのだということだ。

 1対1によるやり取り、つまりは手紙などのやり取りにおける権利は従来からあったが、N対N(不特定多数対不特定多数)での通信、そしてその通信手段自体を権利化するという話は、これまでに聞いたことがない。

 ご存知のように上に挙げた出来事において、政府側に非常に都合の悪い情報もネット経由で入り乱れ飛び、当局はそれの拡散に対抗するべく躍起になっていた。挙句、イラン総選挙時においては当局側がデマ情報を恣意的に流して反体制側市民を根こそぎ捕縛したという話も聞いたことがある。

 また中国当局は何か事件があったり、重要行事があるたびに、大なり小なりの形でネットへのアクセス手段に制限を課す。

 それだけに、政府自身が一つの権利として、ネットへのアクセス手段を認めるというのは、為政者にとっては相当なリスクであり、かなりラディカルな出来事だということになる。

 今後の世界での人権に対する取り組みとしても、このインターネットへのアクセス手段の保護という問題は少なからずクローズアップされていくのではないだろうか?いや、既に世界の多くの人権諸団体はネットを利用した活動や情報発信、情報収集を広く行っている。

 以上、殆ど俺の推測ベースの話であって殆ど裏づけのない考えでつらつらと書いてしまったが、漠然と、今回取り上げたフィンランドの出来事は、やがて世界レベルでの様々な動きとリンクしてくるのではないか、そんな予感がよぎりふとキーを打った次第。

 お粗末。

 

<参考画像>

Location Finland EU Europe.png

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Comments

One Response to “「情報アクセス手段」という権利”

  1. あい より:

    これがお粗末なものなら・・・

    私の頭の中は・・・すっからか~ん・・です。

    (私は、真面目になんにもないかも・・と思います・・。)

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