月影郷

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佐々木倫子著『チャンネルはそのまま!』(小学館,2009年)

2009-05-17 (00:13) | コラム, 書評 | By: S.Yamada

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おおぅ、ようやく買えたぞぅ、ええい?

佐々木倫子さんと言えば、北海道は旭川が生んだ大漫画家、『おたんこナース』は当然有名だが、そりゃ道民及び元道民としては『動物のお医者さん』を挙げねばなるまい。あれに影響を受けて北大を志望していた連中、俺、何人か知っているもの。

そして佐々木さん、2008年からビックコミックスピリッツにて連載を開始し始めているのが今回のこの『チャンネルはそのまま!』である。

ローカルテレビ局である北海道☆(ほし)テレビの新入社員はいずれも優秀で且つ個性豊かな連中が多かったのだが、どういうわけだか個性さらに強い上に優秀でもなんでもない、はっきり言って天然バカと言ってもよい奴がいた。

その名は、雪丸花子。

ドラマなんて滅多に作らないローカルテレビ局に「ドラマが作りたいから」という理由で入社試験を受けに来たり、「裏を取るのが取材の鉄則」という言葉を「裏を撮る」と勝手に勘違いして、札幌市内で行われたキルトの展示会にて、撮影時にキルトを全て裏返してもらうなど、半ば傍若無人にも近い勘違い、天然振りを発揮して周囲を混乱に陥れる恐ろしい女だ。同期入社で、打って変わって真面目な上に優秀な山根一はどうして彼女が入社できたのかが全く理解できない。そりゃそうだ。

ところが、彼女のその行動が思わぬ結果を生み出す。

初めての生中継での行動で高視聴率を叩き出し、才能を秘めた新人の潜在能力を引き出したり、あっと驚く特ダネをもたらすきっかけをつくったりと、何故だか大活躍してしまうのだ。

あまりにもの異常な状況が理解できないと頭を抱える山根。

そこに「バカ枠」なる存在を語る、情報部部長にして雪丸を入社させた張本人、謎のヒゲでデブな傍若無人の甘い物好き、小倉。

そんな感じで話は進んでいくのだけど・・・。

ん?ヒゲでデブで傍若無人な甘い物好き・・・・・・と?


それでは、この物語の鍵をにぎるであろう、小倉部長の麗しきお姿を拝見させて頂こう。

これだっ。

ogura

・・・・・・。

そうだ、小倉がバカだ。

バカは確かに喰うわな、甘いものばかり。そんな好きなら樹液でも吸って来いよ、とどこぞの誰かの声が聞こえてきそうな風貌だ。

そうですな、皆さん。つい最近だとだぁ~、NHKかなんかで怖い顔して唾を飛ばしながら「もうね、さっきから腹が立ってしょうがないんだ!」とか声を張り上げたり「そうだそうだ、言ってやれ!言ってやれ!」って他局の方をけしかけていたこんな方を見ましたなあ。

で、きっとこんな風貌の人がバカみたいな笑い声をあげてのた打ち回ってると、ついついこっちも可笑しくて仕方なくなるってのがよくありますなあ。

つか、藤村さんだ(笑。

どう見たってどう考えたってどう思っても、ここに藤やんがいるわけだ。

この出たがりのおっさんは自分の番組に散々出まくった上に、アニメやら討論番組やら講演会みたいなのに散々出てだぁ、それに飽き足らず、ついに漫画デビューまでしてしまった訳だよ。何が「餅はもち屋」だ、そのもち屋の餅を一人で全部食う位の勢いだろうが。

今回、この漫画が読みたくてたまらなかったのは、そうだ、ああそうだ、佐々木倫子さんの漫画なら読みたいってのもあったさ、最近ちょっと漫画本をもっと読んでみようなんてのもあった、あったけどな、あったけど、それは全部いいわけだ!!

藤やんそのものが出てる漫画を読まずにいられるか!!!ということだ。

良かったな、藤村先生。現実じゃ課長だが漫画じゃ部長だ。けど漫画じゃ、これじゃとてもナイスミドルになれそうもない体型に戻ってしまってるなあ、作中、どんくらい甘いものを喰ってるんだ(笑。報道の現場に出て陣頭指揮を執っているのも嬉しいな、たしか元々報道志望だったじゃぁないか。

と言うわけで、藤村先生ご本人の口からもこの件に関しては日記にしたためていらっしゃる訳で。

よし。じゃぁ次の話題。

「動物のお医者さん」って、ありましたな。H大獣医学部をモデルにした漫画であります。

作者の佐々木倫子さんとご縁があって「是非一度お会いしましょうよ」ということになり、昨年の秋でしたか、私と嬉野先生とワインをしこたま飲みながらお話しをしました。

なんでも佐々木さん、次の漫画の構想を今、練っていると。

「おーどんな?」

聞けば、舞台は北海道のローカルテレビ局。

「おーそうですか!それはおもしろそう」

ただ、まだ構想の段階でテレビ局の人に話しを聞いていると。

「おーそうですか」と。

それにしてもテレビ局というのは、いろんな部署があるんですねぇ。営業とか編成とか、あまり知られていない部署でも、お話を聞いていると、実におもしろいエピソードがたくさんある。そんなエピソードを、うまいこと盛り込んでいきたいと。

「いやぁー楽しみですなぁ!」

「で、いつごろから連載するんですか?」

「まだわかりません。構想の段階ですから」と。

言ってましたら先週、広報から連絡がありまして、

「今週からスピリッツで連載が始まりました!」と。

「おーそうか!見てみます」と、早速発売日に買ってみましたら、すごいですね、表紙にデカデカと「佐々木倫子始動!」みたいに書いてありましてね、

「おー!」と。

漫画のタイトルはといえば、「チャンネルはそのまま!」と。

「おー・・・」と。カッコよくはないなと。

しかし巻頭カラーですよ。勇んで表紙をめくりましたら・・・

「おー?」と。

いきなりヒゲの男がいるんですね。入社試験の面接官をやってるんですけど、やたらとそいつは「バカ」という発言をするんですね。

わたくし、まさに先々週、HTBの入社試験の面接官をやっておりまして、似たようなこと言ってましたからね、「どっかで見てたのか?」と思うほど似てるんですね。

「チャンネルはそのまま」

舞台は北海道のローカルテレビ局「北海道☆(星)テレビ」。局のマスコットは星の形をした「ホシイさん」。

楽しそうな漫画であります。

佐々木さん、どうぞ自分のテンポで、じっくりと描いてください。楽しみにしております。

(「4月15日火曜日。藤村でございます。」公式サイトの日記より)

もう漫画がどうとかどうでも良くなって来ているけど、もちろん、佐々木さんのこの漫画、非常に面白い。笑えるし、プロットもきっちりしているし、業界に関する裏取りもしっかりされている。さすがは「取材の佐々木」。しかし、藤やんをそのものずばり出してきてしまうあたりは、どうなんだろう(笑。またヒゲが調子に乗ってしまう、うん、もっと乗れ!びしーっと、仕切っちゃえ!(笑

てな感じでこの漫画、舞台である北海道☆テレビ自体が、もう明らかにというか露骨にHTBがモデルな訳で、それだったらおしゃれなところでUHBや、有名なところではSTVとかもあったのに、あろうことか平岸の「色々おかしいローカル局」を選んだ佐々木さんは、やっぱり只者じゃないということで、今回のレビューはおしまい。

ええ、レビューが目的じゃねぇんだ、このエントリ。

ただ単に藤やんがいて嬉しかったから書きたかっただけだからな(笑。

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