きっこの限界
Posted By S.Yamada on 2009年1月12日
人間、100人居れば100通りどころか200通りの意見があるもんだ。そして一個の思想信条を共有できたからといって、相手が持っているその他の意見が必ずしも自分のそれと一致する訳はない。
現実世界、こんな簡単な理屈を全く理解できていない輩が、ほったらかしにした餅に生えるカビの如くわんさといるわけだ。
タイトルからも察することが出来ると思うが、本日は我が敬愛するアルファブロガーのきっこ女史についてである。特に以下のエントリを読んで、そろそろ俺も意見表明をしておこうという気がしたので書いてみる。
おお、流行のネタですかい、という点は別にどうでもいいのだが。
俺自身の政治的スタンスははっきり言えば左側だ。中道なんて言葉に逃げもしないし、「自分は客観性を保っているから」とか、わけの分からない言い訳は恥ずかしくて出来ない。俺が一人の個性を持った人間である以上、俺なりの偏り方は生まれて当然だし、それは他人にも言えることだ。右に偏る場合もあれば、左に偏る場合もあるだろう。
ただ人間は多様な言説や思想、考え方を一人の身の内に宿すものなので、個々の考え方はそれぞれ違った考え方を持っているかもしれない。俺自身、左と言いつつ「領土問題は絶対に妥協するな」とか「民主国家である以上、改憲は予定されたものである」とか、「力への対抗は、力を以ってせねばならない」とか、通り一遍の左側の人とは絶対に話があうことはない主張がある。
さて今回とりあげたきっこ女史の日記だが、彼女の日記に対しては「総論賛成各論反対」の立場と言おうか。ま、別に俺が認めないから彼女の存在は認めない、なんていう頭の悪いネウヨサヨ的主張はするつもりはないし、たまに目からうろこ的な記事もあるので応援もしたい。
ただ彼女の死刑や犯罪に関する言説については「ああ、この程度の民度か、ごりっぱな庶民根性だこと」と相容れないものがあった。あと、基本的に駄洒落めいた中傷というのを俺は好きになれない。単に下品だ、そう感じるからだ。とは言え、福島瑞穂氏を持ち上げている点を除けば(笑)、非常に励まされ、共感できるブロガーでもある。ちなみに俺は、保坂展人氏の支持者なんだがね(笑。
枕が少々長くなったのだが、今回取り上げたエントリが非常に気になった理由がある。
自由すぎる「みずほ文体」はイマイチ分かりずらいけど、ここには「政治利用」なんて心はミジンもないこと、困ってる人たちを助けたいっていう純粋な心しかないことが分かると思う。これは、キリスト教関係の団体の炊き出しに通じる精神だ。オムライス党からは、保坂展人さんが開村式に駆けつけて、年末年始を通して視察や協力を続けて来たし、みずほたんも年明けから毎日のように顔を出して、多くの人たちの話を聞き、元気づけて来た。これは、決して何かの見返りを求めた行為じゃなく、純粋に困ってる人たちをほっとけなかったからだ。
派遣村騒動は結局野党などに政治利用されただけなんじゃないか?という批判に対するきっこ女史の反論である。
そしてこのこの文章を読んだときの俺の偽らざる感想は、「んなわけねーよ」である。
「そうだそうだ、政治利用したに決まってるじゃん、だからきっこはアフォなんだよ」とか言う向きがいたらごめん、君はもっとだめなバカだ。精子と卵子からやり直せ。
問題は「社会問題に政治が関わり、かつそれを世論として声にさせていくこと」はある意味政治の本質であり、こういう問題や出来事に積極的に参加することは、政治政党としては当たり前の戦術であるにも拘らず、そこになんで純粋性だの相互扶助の話がでてくるのか、という点だ。
もっと簡単に言えば、実際の社会問題にコミットしてそれに力を得るからこその政治であり、別になんらそのことにエクスキューズを求める必要はないだろう、ということだ。
このような問題だからこそ、政治は必要とされるのだし、それを解決するための政治という権力だろうという点を、なぜ無視したような文章なのか。それも、政治がこれにコミットすることがいけないことをというような前提が見える。
きっこ女史の文章というか主張がいまいち好きになれない(まぁ、無理に好きならなくていいわけなんだけど・笑)最大の理由は、「結局、主権者ってだれよ、国家ってなによ」についての明確な信念や考え方がない、いかにも「庶民」に毛の生えた程度の認識しかないのが見え隠れする点だ。
ようするに庶民や市民はいても国民が居ないというべきだろうか。
国民が困っていて、それが個人では解決できないレベルだとしたら、それにコミットしてくるのは政治であるはずだ。何故なら主権者たる我々が選んだ代表者である。そして近代国家においては主権者一人一人では解決できない問題が発生することを見越して、行政や司法、立法に対して主権者がその権力を付与しているのだから、その権力を与えられた人々は個人がどう思っていようとなかろうと、コミットするのが当たり前だし、するべきなのだ。
別に純粋に同情するとかしないとかは全く関係ない。政治が関与してきたことはもっと堂々と語っていいのだ。「ようするに人件費全部削減したいんでしょ?」的似非ワーキングシェアを主張する便所・・・失礼、御手洗経団連会長とべったりな政権よりは、ポーズでも派遣村などに顔を出す政治政党のほうがまだましだと俺は思うし、そういう連中が政権を取っていたほうがまだ希望も持ちやすい。つか俺もしてるじゃねぇか駄洒落めいた中傷(苦笑。
それにしても件の派遣村、指導者である湯浅誠氏、ただものじゃない。いつぞやのエントリでも書いたが、「リアルではサヨクが強い」をまた見事に証明した。それも今回は完全に政治・行政の側が後追いしたのも小気味よかった。そして右翼側全般の無策ぶり、狼狽振りと言ったら。「なにもできないんじゃなくてする必要がないだけ、狼狽なんかしちゃいねーよ、サヨが勝手に騒いだだけだろプロ市民乙」とかいう声も聞こえてくるが、なんにもしてないしできてないことへの言い訳にすらなっていない。ウヨクの稚拙さに若干不安が募る。それはサヨクの弱さも顕していることに他ならないからだ。つまり日本という国家の政治の弱さだ。
片方の翼だけじゃ、とべねぇもんだ。
結局、件のきっこ女史のエントリに関しては最後のくだり、
‥‥そん
なワケで、オムライス党は、こうして「今、困ってる人たち」のことを最優先しながらも、こうした状況を生み出した悪しき「コイズミ派遣法」を改善するために、改正法案を取りまとめて、民主党にも合意してもらった。これにしたって、「政治利用」って言われればそうなっちゃうけど、たとえ「政治利用」だと言われても、自民党や民主党のように企業からガバガバと献金を受け取ってる政党と違って、オムライス党のワンダホーなとこは「1円たりとも企業献金は受け取らない」っていう徹底したクリーンな姿勢だ。だからこそ、特定の企業にだけ有利な政策をする義務もなく、ホントに困ってる人たちのための政策を推し進めて行けるってワケだ。だから、あたしは、これからも、クリーンで見返りを求めないオムライス党を支持してくつもりの今日この頃なのだ。
これが言いたかっただけなんだろう。ようするにオムライス党=社民党を支持します。いや、それはそれでいいのよ、きっこねーさん。そして堂々と「ええ、オムライス党は派遣切りされた人たちを支持者にしてもっと躍進するんだから」ぐらい言えば、それで良いのだ。ついでに企業献金を拒否し、さらに政党助成金すら拒否して、けど政党資産が自民党に次ぐという日本共産党も思い出してやってください(笑。泣く子も黙る民主集中制ってか。
国家の一成員である以上、政治的に偏るのは当たり前だし、それが政治的意見というものだ。それがなければ、政党政治自体が無意味になる。もっと偏り、もっと主張すること。冒頭にも書いたが、たいてい「自分は中道なんだけど」とかいう言葉を枕にする奴ってのは、政治的に白痴に近いか良くて米ソ冷戦時代で政治認識が止まってる知性の停滞者だ。
まして、政治に関心がないなんてことを公言する奴は、一言で言えば死んでしまえということだ。犬猫畜生と存在意義は変わらない。全権を放棄するに等しいことを言っているのなら、そこらの動物と意味は変わらない。
ということで今年一発目の政治ネタでござんした。まぁ、ほとんどグチに近いな、これ(苦笑。非常に分かりづらい駄文にお付き合いいただきありがとうございました。今後も精進してまいります。
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