言論封殺の自由
Posted By S.Yamada on 2007年12月9日
のっけからちょっと刺激の強いタイトルではあるけど、これはとても大事なことなのだと思うので、ちょっと書いてみよう。
ブログヘラルドというブログがあるのだけど、リベラル系の人間にとっては非常によい記事が多いのでよく目を通すのだけど、特に諸手をあげて賛意を送りたい記事があったので紹介しておく。
この記事では、俺がネットやリアルで友人その他に対して長年主張し続けてきたことを非常に簡潔にまとめてくれていることに、ちょっと感動した。例えば、こんな下り。
実のところ、私はブログに投稿されたコメントを削除する絶対的な権利が、ブロガーにあることを知らない人が多いことに驚いている。確かにブログに記事を投稿するなら、反対する意見が出ることも覚悟しておくべきであり、コメント欄で活発な議論が展開されていればブログの価値は上がるだろう。しかし、言いたいこと好きなだけ言って、ブログを汚す権利は誰にもないはずだ。このような荒らしは絶対に許すべきではない。もしすべてのブロガーがこのような行為の撲滅に乗り出せば、荒らしもなくなるだろう。
ちなみにこの文章の作者は日本語圏外の人なので、我が国のブロゴスフィア(ブログ界)においては、2ちゃんねるを代表とする「匿名文化」の影響もあって、上記の主張は極めて重大かつ深刻な意味を持つ。
「言論弾圧」という言葉があり、「言論の自由」を謳った憲法がある。
言論弾圧は悪しきものであり、言論の自由は尊いものであるという。では、この言論弾圧をしてはならない対象は誰なのか、自由を尊重するべきは誰なのか、みんな明確に答えられるのだろうか?
結論から言うと、してはならないという規制を受け、尊重しなくてはならない義務を追うのは、権力者であり、公人である。そしてそれに属さない人間は、極端な話、何をしても自由である(もちろん、法律の範囲で)。
なぜこんなことを言うのか、言えるのかといえば、言論の権利を保障する法が日本国憲法であることに由来するからだ。
第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
毎度おなじみの文言である。
そして、ここで問題。このなかの文言において、誰がこの権利を保障し、侵してはならないのか?主語と目的語は一体なんなのか?これこそがブログヘラルドにおいて主張されている内容を、非常に重要な主張たらしめているわけだ。
まともな法律知識を持っている人間なら、ぴんとくるだろう。この主語は政府であり、目的語は国民である。
国民の言論の自由を保障するべきは国家だということだ。その逆ではない。
では、一個人が他の人々の言論を保障しなくてはならない法理はどこにあるのだろうか?
実は無い。個人対個人においての言論に関しては、ただ名誉毀損などがあるだけであり、個人が個人の言論を保障しなければならないという法理は無いのだ。
当然、これが個人対法人、あるいは個人対公人となると、若干話が変わってくる。つまり、より大勢に影響力を持つ法人や公人が個人を不当に弾圧する場合には、様々な社会的制約を課されることになる。何故かと言えば、個人が持つ権利を不当に制限する結果となるからだ。
つまり、自分の家の庭先で野グソをしている奴がいれば、そいつを追い出すのは全く問題ではない。それが表現の自由だという抗弁をしてきても、そいつをつまみ出しても、相手に文句を言われる筋合いは無いと言うことだ。
その前提で考えたとき、自分の庭であるブログにおいて、コメントを取捨選択するのは当然と言わないまでも、自分が執筆していく上で邪魔だと判断したコメントを排除するのは、別に誰に憚れる問題ではないということである。権利とまでは言わないが、少なくともクソだと思ったものをさっさと掃除してすてることは、誰に咎められることではないということだ。
リベラル、保守、その中でも純粋そうな人たちが、コメントを消した消さないで大騒ぎをしている連中をたまに見受けるが、この辺のことを理解しているのかとたまに疑問に思うことがある。
特に我が国においては、匿名で言いっぱなしというのがどういうわけだか受容される文化を持っている。そのなかで、主張内容に関わらず、コメントを取捨選択するのは、当然の行為だと思うのだが、どうだろう。
ちなみに我がブログは、コメントおよびトラックバックは事前に目を通している。こちらの意にそぐわないものに対しては、徹底的に排除することを方針としている。文句を言われる筋合いも無い。こちらの庭に入ってきたのなら、その流儀に従ってもらおうという話だ。
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