チャベスの危うさ、民度無き民主主義の危険
久々に政治ネタ、まぁ、控えていた訳ではないが、この件、どうにも引っかかっていたので。
ベネズエラのチャベス大統領と、それを巡る動き。日本の左派には結構受けがよかったが、最近急速に危険視する論調が出てきている。あれだけ彼を持ち上げていた日本共産党も、一線を置くようになってきているのは、彼らの機関紙「しんぶん赤旗」での彼に関する記事の激減を見れば明らかである。
ベネズエラ国民の4割を占めると言う貧困層からの絶大な支持の元、「21世紀の社会主義」を掲げ、外交路線としては反米を掲げて、右肩上がりの原油価格高騰を背景に、国際社会でも特異な立場を築きつつある。
確かに聞いた感じでは面白そうな「おっさん」ではある。そのおっさんを支持する側の気持ちも分からないでもない。実際に彼はキューバなどをお手本にして、貧困地域に完全無料の病院などを作り、貧困層の雇用対策に対しても極めて熱心だと言うし、その成果は確かに上がっているようだ。
しかし、報道などでもご存知の通り、反対派に対する弾圧は常軌を逸していると言って過言ではない。反体制デモに対する武力鎮圧、政権に批判的なテレビ局への閉鎖圧力。それでも貧困層は彼が大統領を続けることを望む。
人間と言うのは、つくづく「飯を食うことが大事」なのだ。これは俺も同じ。100の御託よりも一杯の飯だ。
但し、一杯の飯に迷ったせいで、その後取り返しのつかない歴史の汚点を作り続けるのも人間であることを、我々は歴史を学ぶことで理解出来る。だからこそ、権力者、あるいは近代国家憲法と言う化け物に対して、憲法や民主主義という首縄をかけて、我々に奉仕させるという道を多くの諸国民が選択したはずだ。
このおっさんの気に食わないことは、支持を受けたらどんな原理原則を曲げても食い扶持さえ守ってやれば付いて来る層を、意識的に取り込んでいる点だ。民族主義的な意識に訴求している点も見逃せない。典型的なポピュリストの手法である。そして問題はいずれも論理的な整合性が全く皆無であることだ。この辺、小泉的手法に非常に似ている。
つまり、相手の民度の低さを完全に逆手に取った権力掌握技術を駆使していると言うべきだろう。
だったらアメリカがいいのか?といえば、限定的に「YES」と答える。権力者を抑制する権力の存在というものが、根本から揺るがされていない部分はまだ評価できる。とは言え、ブッシュ政権になってからはこの部分が非常に弱くなってしまったのだが・・・。ベネズエラの現在の状況とどっこいどっこいではあると言えるが、まだ内部告発や、権力衝突故の自浄作用がまだ働いているだけましなのは、あの国は、権力を一箇所に集中できるほど、単純な権力構成をしていないという点も重要だろう。
少なくとも、露骨な形での反対派の弾圧をした時点で、チャベスというおっさんは単なる独裁者志向の危険なおっさんであり、各論賛成総論反対という対象として、俺は捕らえている。
この弾圧を以って、我が国のみならず世界中の民主主義者は徹底的に批判するに値すると俺は考えている。
