肉を食べたいという欲望
人、これを肉欲という(言わない)。
夕方あたりから、猛烈に「肉が食いたい、肉の塊が食いたい、いや食うべきだ、俺が食って当然のものだ!!!」という、指輪に見せられたボロミア状態となる。非常に分かりづらい表現だな。でもたまにあるでしょう?肉だの汁気たっぷりの魚だの、いや汁気ってなんだろうとか思わないの。単なる指輪物語気違いの戯言なんだから。
まあ、なんにせよ、肉が食いたくなったわけですよ、ええ。
そこでいつものGoogle大先生の登場な訳だ。「中央区、ステーキ」とかって調べると、そりゃもう、出るわ出るわ。ただし、新宿界隈ばかりで、とてもじゃないが、家計を節制しなきゃいけない俺のようなワーキングプアがけっぷち手前な人間には、とてもじゃないが縁遠い話になるわけ。
そして登場するのが、貧乏人と学生の味方と俺が勝手に認定する「ガスト」である。
最近、うちの近所に出来たガストへと突入を図る。おもむろにメニューを覗くと、いや覗く意味なんかなかったのだ。だって注文決まってるもん。
「えっと、リブロースステーキとライスとスープのセット、プレミアムカフェ付けてお願いします」
もう、何万回も詠んでいるお題目みたいなもんだ、このまま成仏しちゃうよ、俺。勝手に成仏しろという話なんだけど。
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お肉本来のおいしさとかオーストラリアだとかもうなんでもいい、早く肉をよこせといわんばかりに、ひたすらコーラを飲み続けて待つ。
すると店員のおねーちゃんが運んでくるわけだ。
「お待たせしましたー。リブロースステーキのセットになります」
ほほう、ねーちゃん、お前さんがステーキになるのかい?おねーちゃんだったらステーキじゃなくて活け造りのほうがいいなあとか、そういう感想すら持たなかった。もう、肉。ただ、肉。
かくして、「働かない日は質素なものを食べよう」という俺の目標は完全にぶち壊れ、そこにはひたすら肉をがっついた俺と、代金1365円を示すレシートのみが残りましたとさ。
なんだかなあ。

